フラッシュバックする記憶に行動を支配される
ふいに耳に入ってきた"元彼女"の話に脳が支配される。
ずいぶん落ち着いたと思ったけど、彼女への複雑な思いが、混濁した思考の塊となって爆発し渦巻く。楽しかった思い出、訂正したい誤解、消せない過去、望んだ未来。
脳は不思議だ。振り返り後悔する人もいれば、過去にはこだわらない人もいる。これらは自分の意思でコントロール出来るものではないと思う。それぞれが持つメカニズム。自分は過剰なぐらいに脳内で反芻してしまう。二度と同じ失敗をしたくないのかもしれない。
その割には、過去の失敗に後ろ髪を掴まれてしまい、せっかく訪れた幸運を素直に喜べずにいる気がする。毎回そうだ。
もはや「不幸が好き」なのかもしれない。
『幸せ』は魔物だ。
甘美なものは長続きしないと相場が決まっている。永遠の『幸せ』など訪れない。優しさは厳しさに変わり、美しさは醜さに変わる。
やがて訪れる終わりに向かって備えているのか。
いや、そんなのは最も愚かだ。
地元で交際すると、こうした被害がある。
ふとした時に思い出させられる。
できることなら、楽しいことだけを考えて生きていきたい。