場末のバーで傷を舐め合う愛でいい
五件目、六件目、明日の仕事や週明けの面接など関係ない。今は刹那に生きる自分をどうか許して欲しい。
情けない。
ただただ情けない。
でもこの街の人達はみな一様に優しい。みんな優しさを忘れてないのは、傷ついた過去があるからなのだろう。今でもどこか、ふとしたときに、寂しさが込み上げてくるのだろう。
自分と彼女では生きていた世界が違った。
いつも仕事で世界を飛び回り、"お金を貰いながら各地で楽しんでいる彼女"と、貯金も社会的地位も失いながら命ギリギリと削って涙を流しながら異国の地で這いつくばっている自分では、そもそも住んでる世界が違うのだ。
なんでもない。
なんでもないよ。